「その着せ替え人形は恋をする」についていろいろ考えてみた

タイトル名について

その・着せ替え人形は・恋をする

そのー>身近な人や物を限定的に指す用語。

着せ替え人形ー>ビスクドールと読む。

実はビスクドールと着せ替え人形では語源と意味が異なる。

おそらく着目するべき点は、ビスクドールが歴史の中で

陶器で出来た古い型であり、のちにゴム製の人形に

取って代わられる、いずれ無くなっていく定めにある型を

指している点である。

 

タイトルから察するに、そんないずれ無くなっていく定めにあるビスクドール

恋をすることで何か違うものに変わっていくことが伺える。

 

この漫画で表紙になっている女性はギャルっぽい恰好をしている。

この作品が流行しているとすれば、そんな傍ら現実世界では

ギャルのような文化が残っているのだろうか。

 

実は現代においてギャルという存在は、まるでゴム製の人形にとって代わられる

ビスクドールのように、TiktokVtuberに代表される色白で清楚な制服姿をした女性に

取って変わられつつあるのではないか

 

という点において本作は現代において文化的な背景をうまく合わせた

とても深いテーマを持つ抽象的な表現として、とてもよくできているのではないか

と思われる。

 

そしてそんなビスクドールでありギャルであるヒロインが

何に恋をしたのかと言えば、アニメのキャラクターにである。

そして何をするのかと言えば、そのキャラクターのコスプレをするのである。

 

これは少し変な現象である。

以前、ギャルの恰好をするというのはそれだけで

自分を派手に見せる1手段として確立しており

その恰好をすること自体が何か1つの表現のような空気が存在していた。

 

しかしそんなギャルがコスプレをしたいという主張をしている。

ギャルのような恰好をしていながらそれ以外の恰好を求めて

学校の外で、しかも誰に見られることがなくてもいいから

その恰好がしたいという思いを抱き、そのためならなんでもする勢いである。

 

なぜ変なのかを理解するために

ギャルのような恰好をすること

コスプレのような恰好をすること

この2つの何が同じなのかに着目してみようと思う。

 

ずばり同じ点は”関係性で生まれた文化”にある。

 

ギャルのような恰好をする代表の存在は主に若い女子である。

もちろん若い層でなくてもギャルのような恰好をしている方々はいる。

重要なのは発起点である。ゆえにここでは若い女子の1表現であるという前提を踏まえ

話を進めていく。

 

実はギャルの恰好というのは、学校や社会において

派手でない恰好をした他者がいなければ成立しなかったファッションである。

他者とは違う恰好ゆえに突出した存在として見られた中でうたわれた、

本人たち”以外の人間から見た何か”として”ギャル”という呼称が出来上がった。

そしてアニメのコスプレもそうである。

 

なぜ現代の私服ではだめなのか。それはアニメの世界が

現実でない”特別な世界”だからである。

そしてそれは、”現実とは違う”点で魅力ある文化として

存在しているという留意点がある。

 

つまりはギャルの恰好もコスプレの恰好も

現実世界との関係の中で培われた文化であると言える。

 

一見現実離れしたものとして受け取られがちなものであり

現実とは違う何かとして扱われる文化であるが、それはつまり

現実なくしては生まれなかった経緯が存在するということである。

 

着せ替え人形もアニメも総じて現実の中で生まれたアイデアを元に

現実のものとして触ることができるもの、存在するものとして

生み出したいという思いから作られたものである。

 

実は恋も同じようなものである。何もしなければ

相手との関係はずっと変わらないままである。

何か相手とコミュニケーションを生もうとする思いがなければ

関係性から生まれる感情の先にある思いの形を

表現することはできない。

 

人形も、コスプレも、そして恋も

総じて何かを生み出そうとする思いが作り上げた

とても美しい装飾なのである。

 

そしてその装飾を作り上げようとするその様もまた、

同じように美しい装飾になっていくものであり、それは

人間の魅力的なものとして映るに足る姿なのである。

 

本作の魅力が何かあるとすれば、

このようなものではないかと考える。

 

雑記

というような形で書いて見ましたが、どうでしょうか。

である調で書いて見るとなかなかさっぱりした

雰囲気になてくれました。あ、言い忘れましたが実は未視聴です。

1話も見ておりません。なのでテーマや要素の関係性で書いています。

もし中身がないように感じた方がいらっしゃればこの点が

関与しているのではないかと思われます。

ブログを始めてまだ間もないのもあり、ちょっと雑多な

印象を受けますが、ご容赦ください。この記事みたいに

テーマを深く掘って作品の内面性を書いていくのも

面白いんですが、もっとスタッフとかキャラクターとか

見ていない人だけでなく、見ている人にも向けた文章を

書けたらいいんですが、いかんせん本編を見ないまま

PVやCMで判断していろいろ考えた文章なんですよね。

やっぱり見たほうが面白いんですけどね。なかなか時間が。

プライベートな文章で独り言や雑談形式で

書こうかなとも思っているのですが、どうしていきましょう。

今後ゆっくり試行錯誤して書いていければと思います。